前回はオートキャド(AutoCAD)を「使える」というのがどんなレベルなのか、ということについて考えてみました。
こうした話はどうしても地味であり、また漠然とした話になってしまいます。
「使える」ようになる為には、毎日地道な練習を積み重ねる必要があります。これがまず地味な話でしょう。
また、毎日練習をしてスキルアップをしてきた時には、「この操作まで出来ればレベル2からレベル3にアップする」といった話にはなりません。
そうなれば分かりやすいのですが、現実はゲームではありませんので、どこか曖昧なところが出てきてしまいます。
実際のところ、どういう過程を経てオートキャド(AutoCAD)のスキルが高まっていくのか。
ここではそのあたりの話について少し考えてみました。
■地味な作業と仕事と
オートキャド(AutoCAD)の操作を練習あるいは勉強している段階では、何か分からないことが出てくるたびに色々と調べていって、その解決方法を見つけなければなりません。
線を引いたりする操作だけであれば、それほど難しい訳ではないのですが、どうしたら良いかが分からなくなったときに、勉強がストップしてしまうんです。
もちろんそうした苦労も勉強のひとつなのですが、勉強をしている側からすると、どんどん次に進んでいきたいと考えるものです。
なので、悩んで勉強が進まないと、それはそのまま何もしていないことと同じだと考えてしまいがちです。
でも、そうやって苦労して覚えたことは、余程のことがない限り忘れることはありません。
これは私がオートキャド(AutoCAD)を教えるときによく言う言葉なのですが、「疑問に思わないことは教わっても意味がない」のです。
実際に自分で操作をしてみて、思うように操作ができずに「これはどうやって設定するのだろう」と悩んだことと、何も困ったことのない状態で1から手取り足取り教わったこととでは、記憶に残るレベルが違います。
悩んだ末にその解決方法を見つける、あるいは解決方法を教わる。それは、本当の意味で自分のスキルになっていきます。
確かに地道ではありますが、ぜひともそうした本当のスキルを身につけて頂きたいと思います。
■曖昧なスキルアップ?
そうして苦労をしながらオートキャド(AutoCAD)の勉強を続けていくと、操作方法が分からなくて調べなければならない状況が少しずつ減っていきます。
本当に少しずつですので、やっている本人はあまり気が付きません。
でも、オートキャド(AutoCAD)の機能がいくらたくさんあるとは言っても、操作方法が無限にある訳ではありません。
ひとつずつ覚えていけば、そのうちに分からないことが少なくなっていくのは当たり前のことです。
もちろんそうしたスキルアップを実感出来る方が良いに決まっています。
だって、その方が「出来るようになってる」と感じて勉強にも実が入りますから。
でも「そういえば最近、オートキャド(AutoCAD)の操作方法を調べる時間が減ったな」と、ふとした時に思うのがせいぜいだと思います。
自分の進歩が実感出来ないまま、地道な勉強を続けていくのは結構大変なことです。
でも、その地道さは絶対にあなたを裏切りません。勉強したらその分だけオートキャド(AutoCAD)のスキルは確実に高まっていきます。
なにか前回と同じような結論に至ってしまいましたが、やはり勉強を続けることが最も大切なことだと言えるのではないでしょうか。