オートキャド(AutoCAD)を覚えようという「やる気」。

最初にそう考えた時の意欲をずっとそのまま持ち続けることは、非常に難しいことです。だからこそ、意欲が高い時に行動をすることをお勧めする訳です。

前回の話の中ではそうした内容についてお話しをしてきました。

その中で、「恨み」や「怒り」といったネガティブな感情も、時間の流れと共に薄まってしまうという話がありました。

今回は少しオートキャド(AutoCAD)から離れ、当初の気持を持ち続ける為に、昔の人がやったことについてお話しをしたいと思います。

技術的な話は全くありませんので、不要と思われる方も多いでしょうけど、私も時には息抜きをしたいと思います。

■昔々…
その昔、中国には呉(ご)という国と越(えつ)という国があり、隣同士の両国は敵対していました。

呉越同舟(ごえつどうしゅう)という言葉がありますが、これは日頃仲の悪い者同士が同じ船に乗った場合でも、嵐などで船が転覆しそうなときにはお互い力を合わせる、というような意味があります。

そうするしか選択肢がない状況をつくる、というような軍隊で言えば「背水の陣」的な使われ方をする訳ですが、そうした意味はさておき、ようするに呉と越はそれほどまでに敵対していたということです。

ある時、越の国では勾践(こうせん)が新しく王に即位しました。

当時の呉王であった闔閭(こうりょ)は、越の国内が落ち着いていない今こそが攻め込むチャンスだと考え、それを実行に移します。

しかしこの作戦は失敗に終わり、呉王の闔閭は戦の際に追った負傷のために命を落とすことになります。

闔閭は息子である夫差(ふさ)に、この敗戦の恨みを忘れないで仇をうつようにと言い残し、夫差は父親に復讐を誓います。

夫差は復讐の機会をうかがいながら、しだいに呉の国力を充実させていきます。

それと同時に、毎日寝る際には薪(まき)の上に寝ることで、その痛みから当初の恨みを忘れないようにしました。

そうした努力(?)が実り、ついに夫差は攻め込んできた越を打ち破ることになります。越の王である勾践は、呉王である夫差の前に降伏するしかありませんでした。

勾践は捕虜として呉で屈辱的な仕打ちを受けますが、ついには許されて越の国に帰ることになります。

勾践は獣の胆(きも)を部屋に吊るし、毎日それをなめてその時の屈辱を忘れないようにしながら越の国力を充実させていきます。

ちなみに、獣の胆をなめると非常に苦い味がするそうです。なめたことがありませんので分かりませんが…。

そうして受けた屈辱を忘れないようにした勾践は、20年以上の歳月を経た後、とうとう呉を滅亡させることに成功します。

このように、復讐を果たしたり成功をする為に、様々な苦労に耐えることを臥薪嘗胆(がしんしょうたん)と言います。

薪の上に臥す(寝る)こと、胆を嘗(な)めること。夫差と勾践が実行したことをつなげてひとつの言葉にしている訳ですね。

■その言葉の裏に…
臥薪嘗胆という言葉は、難しい言葉の割には有名ですので、こうした由来を知っている方も多いかも知れません。

ここでは、親の仇をうつというような強い気持でも、毎日薪の上に寝たりして忘れないようにした、という部分に注目して頂きたいと思います。

オートキャド(AutoCAD)を覚えようと考えることは、そうした気持よりも強くはないはずですので、やはりそうした気持は日々薄れていくということでしょう。

まさか毎日胆を嘗める必要はありませんが、やはり日々の忙しさに埋もれてしまっては目的を達成することが出来ない、ということを忘れないようにして頂きたいと思います。