前回はAutoCAD(オートキャド)を使って仕事をする上で、意識しておくべき内容について少しお話しをしました。具体的には以下のような内容でした。

①期日を必ず守る
②作図した図面は必ずチェックする
③分からない部分は事前に明確にする

今回はその内容の中から、①の項目である「期日を守る」ということについて、もう少し詳しくお話していこうと思います。

仕事は基本的に約束ごとから成り立っていますから、「約束した期日を守る」ということは、本当に初歩的な話と言えるでしょう。作図する図面の内容以前の、本当に初歩的な話です。

ですから、やはり一番最初に押さえておくべきでしょう。

「期日を守る」為には、作図のスキルが高くなければならない訳でもありません。ですから、これはAutoCAD(オートキャド)を覚えると同時に身につけておきたい習慣でもあります。

繰り返しになりますが、決められた約束を守るという事は、図面に関する仕事だけの話ではなくて、ビジネス一般に言える原則です。

約束を守るという基本的なことを実行できない人は、当然のことながら信用されません。つまり、決められた期日を守らない人では仕事が成り立たない、ということになるでしょう。

そうした人は、遅かれ早かれ絶対に仕事を続けることが出来なくなってしまいます。

ここで「厳しいなぁ」と思った方はちょっと甘いです。そのような甘い認識では、やはりプロとしてやっていくことは難しいです。

どうしてそれが甘い認識なのかを理解するには、仕事を頼む側の気持ちになると良いでしょう。

■頼む側の立場に立ってみる

仮にあなたが図面の作図を依頼したとした場合、まず相手に伝えるのは以下の点だと思います。

①どんな内容の仕事なのか
②いつまでに終わらせて欲しいか
③注意するのはどんな部分か

細かく言うとデータの形式などもありますが、大まかに言えばこんなところでしょう。

①や③に関しては、仕事の分野や内容によってその都度変わってきますから、ここで細かい話をしても仕方がない部分です。

②のいつまでに終わらせて欲しいかという項目は、自分のスケジュールを考えて、それに若干の余裕を見て決めることになると思います。少なくとも私はそうしていました。

依頼した内容の図面が約束したとおりに届き、あなたはそれを確認し、そこから印刷やデータ送信などの業務を行うことになります。

お金を支払って作業を頼む以上は、その対価として受け取ったCADデータを何らかの形で使うはずです。何にも使わないのならば、頼む意味はまったくありませんから。

ですから、指定した期日のとおりに図面が届かないと、依頼した側であるあなたのスケジュールはどんどん狂ってしまいます。

その狂いが、見込んでおいた余裕の中に納まればまだ良いのですが、もちろんいつもそうとは限りません。その場合は、あなたが自分自身のスケジュールを調整し、生じた時間のズレを修正しなければなりません。

こうしたことが何度かあった場合、あなたはその相手にもう一度図面の作図を依頼したいと思うでしょうか。これは本当に大事なことですから、よく考えてみてください。

恐らくほとんどの方は思わないはずです。少なくとも、私はもう二度と頼みません。大抵の方は私と同じ意見だと思いますが、いかがでしょうか。

「期日を守ること」がどれほど大切なのかは、相手の立場になってみるとよく分かるのではないでしょうか。

頼む側にしてみれば本当に最低限のラインではあるのですが、いざ作図する側に立ってみるとなかなか難しかったりします。次回はそのあたりについてもう少し詳しくお話をしていきたいと思います。