前回はオートキャド(AutoCAD)というソフトウェアを動作させる環境にあるかどうかということで、OSについて簡単に考えてみました。

こんな話をするまでもなく、たいていの人は条件を満たしているはずですからあまり心配いらないと思いますが…まあ念のためと言うことで。

そんな訳で、OSに関しての話題はこのあたりで終わりにしておき、今回はもっと重要な要素だと思われる「メモリ」についてお話しをしていきます。

■メモリの重要性
「メモリ」というのは一般的に「メインメモリ」のことを意味しています。これはパソコンの動作速度を大きく左右する重要な要素です。

オートキャド(AutoCAD)を使う為に必要な環境について以前一覧で表記しましたが、その際に「メモリ」は以下のような条件でした。

512 MB RAM 以上推奨

またしても数字と記号の組み合わせですが、これはそれほど難しく考える必要はありません。
要するに「記憶装置」のひとつと考えてもらえば何となく分かりやすいのではないかと思います。

オートキャド(AutoCAD)に限った話ではなく、パソコンで作業をする際には、この記憶媒体に一時的に記憶させながら作業を進めていくことになります。

ただ、この「記憶媒体」には、大雑把に分けて2種類あるんです。

ひとつは図面や書類などのデータを保存しておく為の記憶媒体で、一般的には「ハードディスク」と呼ばれています。

(この「ハードディスク」に関しては、もう少し後で説明しますね)
そして、もうひとつが今回お話しする「メインメモリ」です。

「メインメモリ」は一般的な記憶媒体である「ハードディスク」に比べて動作が高速ですが、電源を切ってしまうとその内容が消えてしまうという特徴を持っています。

その為、データなどの保存をしておく用途には使えませんが、作業を円滑に進める為には必要不可欠なものなんです。

当然メインメモリが大きい方が、作業はスムーズに進みます。

■メインメモリの役割
ここで、この「メインメモリ」についてよく使われるたとえ話をしてみます。
メインメモリは仕事をする上で「机の大きさ」に例えられます。

机のサイズが大きければ大きい程、色々な書類を机に広げることが出来るので効率が良い、という訳ですね。

まあ私の場合などは、机に書類を広げすぎると収拾がつかなくなってしまい、かえって効率が悪くなってしまいますが…。

もちろんパソコンならばそんな心配は必要なく、作業スペースが大きくても、しっかりと有効に活用してくれるんです。

逆にメモリが少ないというのは、作業する机が狭い状態を意味していて、当然のことながら作業効率は下がることになります。

記憶しているデータを書棚などに例えて考えてみましょう。

いくらたくさんのデータを書棚に保存していたとしても、それを広げられるスペースが限られているのでは、仕事の効率はあまり良いとは言えません。

今現在開いている書類を一度閉じてスペースを確保してから、また新たな書類を机に広げる必要がある、ということです。

そうすると、当然机と書棚との間を何度も往復しなければならないことになりますが、この処理に余分な時間がかかるということなんですね。

パソコンにおけるメインメモリの存在を、実際の仕事に当てはめてみるとこんな感じになります。
何となくでも構いませんので、メインメモリの重要性が伝わったでしょうか。

■効果はあるのか
メインメモリはハードディスクに比べて、その数字を実感しにくい部分があります。

256MBと512MBの違いは何なのか?と聞かれると、「全体的な操作の快適さ」というやや曖昧な答えしか出来ないのが本音です。

でも、確かに分かりにくくても、その違いは間違いなく存在します。

もし本気でオートキャド(AutoCAD)を使いこなそうと考えているのなら、やはり少なくとも512MBのメモリは必要だと思います。

もし出来れば1024MBのメモリにしておけば、少なくともメモリが不足して動作がぎこちなくなることはないでしょう。

毎日使うものですから、少しでも快適な環境を作ることが大事です…と、何だか羽毛布団のセールスみたいな表現になってしまいましたが、もし予算が許すのなら検討する価値はありますよ。